続きです。
自転車はスタッフにより船倉で固定済なので、
椅子席にバックパックを置き、
身軽になって船内を見て回ります。
下船時について乗客向け注意書きあり、
曰く「安全のため乗用車、バス、トラックが
下船してからの案内になります」
オートバイと自転車の積載と固定についても
案内があり。
これが港のチケット売り場や船倉ではなく
積載を終えて後に辿り着く筈の
ラウンジに貼られているあたり、
お役所的なお約束の案内なのでしょうか。
売店も自販機も充実していました。
片道40分程度ではありますが、
山口瞳曰く
「新幹線のカレーは時速200kmで走るカレー」
なのです。
金谷港から久里浜港まで直線距離11.5kmを40分、
出港・着岸の手間時間を抜いて考えると、
ロードレーサーでサイクリングロードを
巡航する速度くらいでしょうか。
自転車で走りながら唐揚げ、タコ焼きなんぞを
食べるようなものと考えればよいか。
国道16号の「海上区間」も近いらしいですし。
甲板に出て東京湾を見回します。
さすが東京湾内、
さまざまな船が行き交います。
HPで紹介されているような「飛鳥Ⅱ」なんかは
影も形も拝めませんでしたが。
(前フリ・・)
はや対岸の三浦半島が近づいてきます。
40分だと遊覧船程度なのです。
そこからなかなか港に着かず、
着岸もしない、という船の法則。
船倉に降ります。
船倉は自転車・バイク集団の後に乗り込んできた
自動車で一杯でした。
下船を前に車止めが外されていく横を歩き、
自転車が留められた場所へ。
簡単な固定から各々自分の自転車を外し、
そのままの位置で待機します。
乗り込んだ時は船の奧でしたが、
降りる時にはこちらが先頭となりました。
自転車が先頭、その後がバイクの並びでした。
自転車に跨がって待機です。
ハッチが開くと、一足先に下船して
港施設の通路を歩いて行く乗客らが見えました。
スタッフの合図で自転車が下船スタート。
一種の勇壮な心持ちがします。
そのまま押し出されるように
埠頭の上を邪魔にならない場所まで走ります。
下船する人や自転車、車の慌ただしい雰囲気に呑まれ、
そのままフェリーと久里浜港を振り返ることもせず
JR横須賀線・久里浜駅に向けて
一気に走ってしまいました。
袖ケ浦から金谷港までの上総・東京湾巡り、
ブラウジングを終了です。
・・・、と締める筈であったところ、
どこをどう慌てたものか道を南と北を間違え、
気付けば疲労濃い脚をばたつかせ
夕暮れ近い久里浜を走っているという
仕儀となってしまいました。
ようやく辿り着いた京急・YRP野比駅で
輪行袋詰めをして這うような心持ちで
帰途に就きました。
JR横須賀線・久里浜駅の上記写真は
1年ほど前に三浦半島を1/3周した際の物。
自転車で初めて船に乗り込んだためとはいえ、
その時の結論と同じく、
自分、やっぱり海が似合ってないに違いありません。