「サイクリング・ブック」のコンセプト 〜何用あってサイクリングへ〜

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昭和の直木賞作家にして
名コラムニスト・山口瞳氏の文章で、
何でも野球で説明する友人がいる、
という話を読んだ覚えがあります。
二股がバレた時のことを
牽制で挟まれ右往左往、にたとえる、
といったような具合。

自転車は何ににたとえたらいいかな、と
ずっと考えてきました。
自転車とはいったい何か、
何と比較すればいいのか?
たとえば散歩、マラソン、車、バス、鉄道、
あるいは観光や旅行と比べて。
モノ・コトの区別なく。

そこでひとつ、思い至ったことは。

散歩は、読書に似ています。
時間をかけ、毎日や季節の変化に目を止め、
思い出し、思考を巡らすには最適です。
それで、マラソンはコラム読み、ではどうでしょうか。
散歩よりは気ままではなく
トレーニングの色彩があり、
日課的で、
自分の体と対話的であり、
というように。

それでは自転車はどうか。

自転車は、
ネットのブラウジングに近いと思います。
街並みの、または地域(エリア)の、
ブラウジングツールです。
そして、ネット時代にはブラウジングが向いている。

普段の散歩であれば、
どれくらいの距離を歩くでしょうか。
あるいは日常的なランニングであれば
どれくらいを走るでしょうか?
5〜10kmもやれば、
もうへとへとになるでしょう。
自転車であれば、機材によりますが
街なかは時速10〜18km程度ですから、
一時間か2時間あれば、
相当のエリア内にある「何か」を
見て回ることができます。
「何か」は、地元の観光名所でもよし、
夏の川縁でもよし、
歩いて行くにはちょっと遠くて、
バスに乗ったりして観光に行くほど
有名でも広くもない公園でもよし。
博物館や記念館にわざわざ入らなくても、
建物や近所界隈を眺めるだけで
十分楽しむことができます。

読書力が落ちていることはあるでしょうが、
パソコンが普及した結果、
世に読まれることを待っている文字が
増えていることも事実でしょう。
(パソコンにより文字を書くことの敷居が下がり、
1作品の文字量が昔より増えている、
という分析を「短歌研究」1月号の
対談で見かけました)

たくさん読書する時間が持てないネット時代には、
ブラウジングが相応しい。
貴重な休日をまるごとではなく半分だけ使い、
まだ行ってみたことのないエリアや、
遠くに眺めていた山や川や湖、
住んでいる街なかの名所旧跡を、
自転車でさらっと
ブラウジングしてみるのはいかがでしょう。
言うなれば、エリア・ブラウジング。
略して「エリブラ」(?)

以上を、
このブログのコンセプトとしたいと思っています。

またも昭和の名コラムニスト・山本夏彦氏の名言に、
「何用あって月世界へ」というのがあります。
「何用あってサイクリング」を
気ままに考えていきたい所存です。

何卒、よろしくお願いいたします。

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